2010年04月28日

ELC2010のセッションをひとことずつ紹介

ELC2010(Embedded Linux Conference)ではいろいろと興味深いセッションがありました。

私が聴いたセッションをひとことずつ紹介します。



ELCのスライドのページ

各セッションではビデオ撮影が行われていたのですが、そのビデオはまだアップロードされていないようです。

Steve Bennett Effective Use of Scripting in Embedded Devices

組み込みシステムで使われているスクリプト言語の概要とJim Tclの紹介。

ネットワークのI/O待ち時間の割合が大きい処理ではスクリプト言語で書いても応答速度の低下は目立たない。

Mark Gross Experiences in Android Porting, Lessons Learned,Tips and Tricks

インテルの人によるAndroidのランダムなTips。

3Dの描画はOpenGLでGPUを使えるが、2Dの描画はソフトウェアでレンダリングしていて最後の転送だけGPUを使っている。

Rob Landley Developing for Non-x86 Targets Using QEMU

PDFの資料は260ページの大作。実際のセッションでは時間切れでQEMUの話までたどりつかず。

コンパイルの高速化にはdistccが効果的らしい。

Steven Rostedt Ftrace - Embedded Edition

カーネル2.6.29からFtraceの機能が入った。

embedded systemでも扱いやすいコンパクトなユーティリティ trace-cmd の紹介。

Frank Rowand Real-Time Linux Failure

LinuxカーネルのRTパッチは最近よく使われるようになってきているが、その特性をよく理解して使わないと失敗する。このセッションではあえてうまくいかない事例をあげている。

Masahiko Takahashi A Consideration of Memory Saving by Efficient Mapping of Shared Libraries

ダイナミックリンクライブラリはmmapシステムコールによってメモリ上に配置されるが、このときにページ(4KB)単位での割り当てになるので、数多くのライブラリを使用すると、ページ単位の端数の部分の無駄の蓄積が大きくなる。これを防ぐために、ダイナミックリンクライブラリの.data, .bssの部分を連結して一括でメモリ上に割り当てるという実験を行った話。

Dominique Toupin Linux Toolchain Overview with Advanced Debugging and Tracing Features

Toolchainの中でも特にgdbの機能の紹介。



t2koba at 09:29Linux | koba 
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