2010年05月24日

LLVM プロジェクトが活発です

ここ数週間の間に、LLVM プロジェクトに大きな動きがありました。

独自の C++ 標準ライブラリ (C++0x 規格も含む 85 % を完了とのこと) をリリースし、Boost C++ ライブラリのビルドに成功したそうです。



LLVM PROJECT BLOG より

Tuesday, May 11, 2010 New "libc++" C++ Standard Library
Thursday, May 20, 2010 Clang++ Builds Boost!

これまで、自由ソフトウェアの C++ コンパイラは事実上 GNU GCC (g++ + libstdcxx) 一択だったわけですが、ぐっと LLVM (Clang++ + libc++) が実用的になり、いわば GNU プロジェクトと LLVM プロジェクトの「二大政党政治」の理想に近づいてきていると思われます。

また、LLVM (Clang) プロジェクトは、Mac OS X サポートを中心に開発されている点も、これまでのような PC UNIX (*BSD や Linux) サポートを中心としてきた GNU プロジェクトとの相違点として面白いところなのかなと思っています。(※ 追記あり)

例えば、今回の Boost ビルドも Mac OS X 上ですし、Clang Static Analyzer のバイナリが OS X だけ公式配布されていたりします。これには Apple 社が LLVM プロジェクトに金銭的にも技術的にも貢献していることが影響しているのだと思われます。(Clang が C/C++ だけではなく、OS X の開発言語である Objective-C に力を入れているのもそのせいでしょう。)

Linux Kernel が GCC と強く結びついているように、今後は Mac OS X も LLVM との結びつきを強くしていくのでしょうか。(既に最新の Mac OS X の開発環境 XCode 3.2 には、標準で LLVM や Clang Static Analyzer が含まれているようです。)

Apple 社だけではなく、FreeBSD 陣営もライセンス的な親和性の高い Clang に注目しているようですし、今後も LLVM プロジェクトの活動から目が離せませんね。

※ 追記: GNU プロジェクトは特定のプラットフォームに依存したりこだわっているわけではないので、上記の書き方は LLVM vs GCC というわかりやすい軸を強調しようとするあまり、少し単純化しすぎでした。GCC にも Apple 社は貢献していますし、Mac OS X でも GCC は重要な位置を占めています。また、PC UNIX という言い方も、GNU is Not UNIX というもともとの意味からすればかなり微妙な言い方で、不愉快に感じられてしまった方もいるかもしれませんが、要するに「自由な OS で、GCC は発展してきた。(もちろんそれだけではないですが。)」という意味に広く捉えていただければ幸いです。

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コメント一覧

1. Posted by hik   2010年06月17日 16:16
lldb という llvm 用の debugger が announce されたようですね、
2. Posted by 若槻   2010年06月18日 10:49
> hik さん

そうですね。まだまだこれからという印象ですが、楽しみです。、

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