2017年02月15日
SOLIDソフトウェア開発プラットフォーム 登場!! (連載第1回)
昨年に発表したソフトウェア開発プラットフォーム”SOLID”、2017年前半に提供予定で開発が進んでいます。最初に提供するものは、出来るだけ多くの皆さまに"SOLID"を体験して頂けるよう、ボードとRTOS/BSP、そして開発環境をセットにし、低価格パッケージとして用意を進めています。提供が近づいてきた"SOLID"、この KMC Staff Blogを通じて、これから順に紹介していきたいと思います。
ということで、今回はまずSOLIDというプラットフォーム全体を眺めてみることにしましょう。
SOLIDとは、
コンパイラ、デバッガを含んだIDEと、ARMで動作するRTOSベースの実行環境がセットになった新しい開発プラットフォームです。
SOLIDとは、
コンパイラ、デバッガを含んだIDEと、ARMで動作するRTOSベースの実行環境がセットになった新しい開発プラットフォームです。
- IDEはVisual Studioベース、コンパイラとしてGCCの他にLLVM/Clangを搭載
- RTOSはオープンソースITRONであるToppers/ASP3ベース
それぞれをSOLID-IDE、SOLID-OSと呼び、SOLID-IDEはSOLID-OS専用、SOLID-OSはSOLID-IDE専用にKMCが独自に開発しました。 SOLID一つを導入することで、RTOS含めた開発環境が全て揃う事が最大の特長です。全てのツールが専用化されているので導入も簡単、ツールの組み合わせに悩む必要がありません。
KMC含めた既存の開発環境と何が違う?
今までは複数のベンダーから提供されたツールを開発者が選択して使っていました。そのため、使い方の互換性が無かったり、ツールの組み合わせによる機能制約など、開発者の悩みが多かったのが実態です。このSOLIDでは最初から全てのツールを一体化して作り込んであるため、開発者を開発環境構築の煩わしさから解放することができます。
さらに、開発環境と実行環境を一体化することで、開発ツールを作るKMC側にとっても、より便利な新しいデバッグ手法を実現するために、コンパイラ、実行環境とデバッガの連携は必然的でした。この辺りは別の回で改めてご紹介したいと思います。
KMCなのにLinuxではない!?
これまでKMCではARM+Linuxの開発環境のトップベンダーとして、多くの開発者の方々と直接会話をさせていただき、ご要望やお悩みを数多く伺ってきました。そんな中で、ARM Cortex-A9クラスを使った組み込みシステム開発において、実は非Linuxの開発案件も増えている傾向だということが分かってきました。
従来のRTOS環境からの乗り換えや、FPGAと組み合わせた実時間処理が必要等、敢えてLinuxを採用する必要がないケースも多いのです。それにLinuxを使う場合、どうしても開発環境としてのLinuxを用意しなければいけないのですが、いままでLinux開発環境を使っていなかった人にとっては、それが高いハードルになってしまいかねません。これでは本末転倒、本来のアプリケーション開発に集中できなくなってしまいます。
「だったら、Windows環境だけで完結するRTOS用の開発環境があった方が便利だろう」と、KMCが考えたのがこのSOLIDです。もちろんARM Cortex-A9クラスの高性能CPUを活かし、LinuxがもっているメモリプロテクションなどをRTOS環境でも実現し、開発性の向上もはかっています。(あ、Linux用のデバッグ・開発環境をやめるわけではなく、そこはご注意を!)。
SOLIDで開発者は楽(ラク)になる!
SOLIDは皆様の開発が楽しく、楽(楽)になることを目指しています
開発環境立ち上げに振り回されずに、本来のソフトウェア開発に専念できるので楽(ラク)。
便利なデバッグ機能が簡単に使えるので楽(ラク)。
バグ検出の自動化によりテストカバレジが高くなるので、品質向上につながり楽(ラク)。
準備→作る→動かす の全てステージにおいて、開発期間の短縮が出来るので楽(ラク)。
開発期間短縮・品質向上により、開発費用が抑えられるので楽(ラク)。
SOLIDの目指すゴールは?
SOLIDのテーマは enjoy Development です。
SOLIDを使っていただくことで、開発環境の構築作業やモグラ叩きにもなりかねないデバッグ作業から開発者の方々を解放し、開発を楽しんでいただくことをゴールにしています。
そして私たちKMCも、ツール屋のプロでありまた同じ開発エンジニアの立場として新感覚の開発&デバッグ手法を提案し続ける事で、SOLID開発を楽しんで行くことを目指しています。
次回は、SOLIDによる開発環境と実行環境の一体化、そして、それで実現できた新しいデバッグ機能である"アドレスサニタイザ"について紹介する予定です。
SOLID紹介ページ